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バイオ医薬品とは、細胞培養技術や遺伝子組み換え技術を用いて製造される医薬品で、化学合成によって製造される従来の医薬品とは異なる特徴を持っています。副作用の少ない治療薬の開発や、これまで治療薬のなかった病気への効果が期待されています。
私たちは、日立グループとして250件以上の培養プラントの設計・施工に携わってきた知見を活かし、バイオ医薬品プラントの計画・施工・運用・保守、すべてのフェーズでお客さまをサポートいたします。

計画・施工・運用・保守

培養シミュレーション

計画

バイオ医薬品の製造現場において、「実験室ではうまく培養できたのに、大きな培養槽になるとうまくいかない」というケースがよくあります。培養スケールが大きくなればなるほど、最適な培養条件を特定するのが難しくなるためです。
日立の「培養シミュレーション」は、多くの培養槽製作の実績で培った独自のノウハウに基づくCFD*1解析により、培養槽の運転条件を最適化する技術です。このシミュレーション技術を用いて培養槽の内部の状態をPC上で再現し、培養槽の構造や運転条件の最適化を支援しています。
また、PC上で何通りもの形状、条件を試すことができ、ラボスケールでの実験データと組み合わせることで、コストを抑えてスピーディーに培養槽の形状や運転条件を最適化します。
私たちは長年のノウハウを活かした「培養シミュレーション」により、お客さまの製品の生産性の向上に貢献します。

培養シミュレーション

*1
CFD:Computational Fluid Dynamics(数値流体力学)

AIを活用した培養スケールアップ支援

計画

新たな抗体など医薬品を作る際、プロセス開発の現場では、スケールアップを成功させる最適な培養条件を見つけるために数十通りの実験が必要になります。日立の「培養スケールアップ支援」では、AI・機械学習による実験パラメータの絞り込みによって、プロセス開発の初期フェーズでのスケールアップの迅速化を支援します。さらに、培養シミュレーションによる培養槽の形状や運転条件の最適化、培養実験とCFD解析に基づいたデザインスペース補正といった技術を組み合わせ、製品の培養規模のスケールアップを総合的に支援します。
日立グループは、15年以上にわたり、CFD解析を用いてお客さまの製品の培養スケールアップに取り組んできた実績があります。「培養スケールアップ支援」は、長年の実績に裏付けされた日立の独自技術と知見を組み合わせ、お客さまの生産プロセスの開発から生産ラインの立ち上げ、商用化までの期間を短縮と、製品の早期上市に貢献します。

AIを活用した培養スケールアップ支援

培養プラントビルド

施工

●設計・エンジニアリング

設計・エンジニアリング

日立プラントサービスでは、お客さまの事業目標のヒアリングから始まり、計画、設計・施工、そして施工後のバリデーション・メンテンナンスまで、トータルでサポートします。お客さまの事業と製品への理解、そして長年の実績に裏付けされた培養プラントの知見と構築技術を組み合わせ、バイオ医薬品プラントの品質向上と早期立ち上げを実現し、お客さまの事業目標の達成に貢献します。

●大型SUS培養槽・モジュラーデザイン

大型SUS培養槽・モジュラーデザイン

  • 大型SUS培養槽
    タンク形状や攪拌翼形状、酸素投入位置など、培養槽の詳細設計は、細胞の増殖に大きく影響を及ぼします。日立プラントサービスでは、500基以上の納入実績で培った知見と技術に基づき、洗浄性、無菌性、そして細胞の生産性に優れた培養槽を設計・施工します。
  • モジュラーデザイン
    培養プラントの主要機器部分をユニット化、モジュール化し、現地での配管作業を最小限にすることで、プラントシステムの性能と品質の確保と、工期短縮を実現します。

制御システムの開発

施工

制御システムの開発

*2
CIP:Cleaning in Place(定置洗浄)
*3
SIP: Sterilization in Place(定置滅菌)

培養プラントの生産ラインを制御する、制御システムの開発・実装を実施します。
お客さまからヒアリングした運転条件と当社の知見を基に、生産ラインの作業工程を洗い出します。その後、当社エンジニアが緻密な工程移行条件表と、シーケンスグラフィックフローを作成し、プログラム設計に反映し、制御システムを実装します。実装した制御システムでは、安定した生産工程だけでなく培養プラントでは欠かせないC/SIP運転にも対応します。運転で得られた実績データはDI*4ポリシーに基づき、CSV形式で一元管理されます。

*4
DI: Data Integrity(データ完全性)

<関連リンク>

センシング&データ収集

運用

センシング&データ収集

バイオ医薬品の製造では、細胞内の代謝により抗体などの医薬品が作られます。細胞内代謝はまだ明確に判明していないことが多くあります。製造工程のさまざまなパラメータをセンシングして見える化することで、生産効率改善や安定生産につなげられるようになります。また、それらプロセスデータだけでなく、それを構築する人・モノ・設備データをIoT技術でつなぎ、データを利活用できるバイオ医薬品工場を提案しています。
AI・IoT・ロボットなど、多様なデジタルソリューションを活用したスマートファクトリーで、省人化、生産性・品質の向上など、お客さまのめざす事業目標の実現を支援します。

保守管理DX

保守

保守管理DX

設備保全アプリケーションを導入することで、機器の点検周期、交換部品などのデータをクラウド上で一元管理できます。また、従来は手書きで作成、管理していた点検記録をデジタル化する事で、報告書の作成、承認操作をアプリケーション上で迅速に行えます。ユーザー管理、ロール管理機能を使用してユーザーごとに権限を設定することで、承認作業を適正に遂行・管理できる仕組みとなっています。
工場内の設備や機器はQRコードで管理します。点検作業時、作業員はタブレットでQRコードを読み取り、点検作業の内容を入力し記録管理します。また、過去の点検実績、取扱説明書なども、その場で確認する事が可能です。
クラウド上に蓄積されたデータを活用する事でメンテナンス計画の立案を迅速に行うことができ、現場作業の省人化と省力化、点検業務の品質向上を実現します。